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後楽園ホールの改修工事にみる、ビル建て替え問題

ビル建て替え


7月1日のスポーツ報知記事より

【後楽園ホールが一時閉館…8・1から40日間の休業】

「後楽園ホール(東京・文京区後楽)が8月1日から一時閉館することが1日、分かった。

館内工事のため8月1日から9月9日までの40日間の長期にわたるもので、運営する東京ドームによると過去20年では最長の休館になるという。

過去の改修による休館は、2002年8月6日から8月26日まで21日間にわたって照明などのリニューアルを行った記録があるが、今回の工事は「耐震強化を含めた設備のリニューアルを実施し、施設価値のポテンシャルを高める」というもの。

東京ドームでは「過去20年では最長。開業以来かどうかは資料がないため不明」としている。」


プロレスやボクシングなど格闘技の聖地と言われる後楽園ホールが長期の改修休館に入るようです。

東日本大震災の直後に若干の休館がありましたが、今回のような長期休館は初めてのようです。


後楽園ホールが入る建物(以下、後楽園ホールとします)は1962年(昭和37年)1月完成で、今年で築54年。

昭和40年前後に建築された建物の多くは、現在頻繁に建て替え工事が行われています。

建物や設備の老朽化、新耐震基準への移行など、建築から半世紀を迎えたあたりで新しくしようとする動きです。


しかし、後楽園ホールは建て替えではなく、改修することで建物を維持していくことを決定しました。

これは良い判断だと思います。


建築年数だけみれば老朽化は歴然としていますが、それは数字だけの話であることは、実際に現地へ訪れてみればわかります。

これまでにも後楽園ホールは耐震工事や外壁のリニューアル、エレベーターの交換など、多くの補修・改修をしていました。

そのせいもあり、とても築54年とは思えないような様相を呈しているのです。


初めて訪れた人なら、誰もが半世紀を過ぎた建築物だとは思わないでしょう。

それだけ建物への維持・管理が素晴らしいと言えます。


主に自動車やオートバイに関する用語で「レストア」があります。

レストアとは、「老朽化などの理由により劣化もしくは故障した、自動車、オートバイ、鉄道車両、航空機、時計、ラジコンモデル

、ゲーム機等を修復し、復活させること。」
(ウィキペディアより)

クラシックカーやビンテージカーが当時の新車のようにレストアされ、何ら問題なく走っている様は実に気持ちがいいものです。


新築建物の信用性が揺らいでいるのは昨今の諸問題(耐震偽装、マンション傾斜)ですでにご存じのはず。

古い建物も「年数が経ったから建て替える」という単純発想ではなく、レストアをすることで大切に維持していくことも必要なのではないでしょうか。

後楽園ホールの建物維持管理はぜひ見習いたいものです。

更新日時 : 2016年07月19日 | この記事へのリンク : 

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